手を伸ばせば届くはずのものさえ 掴めなくなったのはいつからなんだろう?

その虚空を迷う皺の増えた右腕で緩やかに消えた未来を遠く想い見送った


そしてさよならは当たり前のものになり

気が付けば諦めと友達になっていた

あの日君と見た指の先登る煙と

共に僕の中の何かは流れていったようだ


いつか見たあの日には戻れない

そうやって失ったものを並べ手を振ってきた

いつもいたあの君は戻らない

振り返るこの弱さを連れて旅は続いていく


いつか見たあの日には戻れない

そうやって失ったものにまた手を振っていた

いつもいたあの君は戻らない

褪せた皮膚の温もりで雫を溶かして旅は続いていく